リマスター、カバー、アレンジ、リミックスetc… の違い

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いろんな派生がありますよね

音楽を嗜んでいると、同じ曲名なのに「リマスター」「カバー」「アレンジ」「リミックス」など、なにやらバージョン違いの別曲がいくつかあるのに出くわします。最初はどう違うのかわからなかったので、自分なりにメモしておきます。
※作曲者やレーベルのこだわり、コミュニティ内の呼び分けなどで解釈が異なる場合もあるのでこの通りではないことご了承ください。

リマスター

  • 概要:古い音源を再発売する際に、現代のオーディオ環境や技術にあわせてマスター録音を再マスタリング(=リマスタリング)したもの。マスタリングとは、流通させるメディアにあわせてパートごとの音量や音質を適切に調整してマスター音源を作る最終仕上げのこと。
  • 目的:昔の録音からのノイズ除去や音質向上。
  • 特徴:限りなく原曲そのまま。

リミックス

  • 概要:マスター音源を混ぜ直し(=リミキシング)したもの。
  • 目的:新しい楽曲を作ること。
  • 特徴:テンポを変えたり、新しく音を足したり引いたりする。クラブ・ミュージック調のダンス・ミックスなどがよく作られる。

カバー

  • 概要:過去に他人が発表した曲を歌唱・編曲・演奏したもの。
  • 目的:原曲をなぞること。
  • 特徴:曲調は原曲に即したものが多いが、弾き語りなどアコースティック調のものなどにアレンジされることが多い気がする。原曲と別のアーティストが行うことがほとんどだが、同じアーティストの場合は「セルフカバー」と呼ぶことも。

アレンジ

  • 概要:作曲的なアプローチで編曲行為が入る。
  • 目的:原曲を編曲すること。
  • 特徴:「リアレンジ」と読んでリミックスに近い意味でとらえらることもある。

ブートレグ(bootleg)

  • 概要:海賊版の意。著作権者に無断で楽曲を使用した音源。
  • 目的:1970年代に、コンサートのライブ録音やミキシング音源が流出したものを不正に音源化したのが始まり。
  • 特徴:現代では許可なく作られたリミックスにブートレグとつくことも。

マッシュアップ(mashup)

  • 概要:異なる2つ以上の曲を合体して1つの曲にしたもの。片方からボーカル、もう片方から伴奏をイコライジングなどで抜き出して合体させるなどする。
  • 目的:2つ以上の曲を合体させて化学変化的な相乗効果を期待する。
  • 特徴:DJプレイ中に2つの曲を混ぜる技法だが、あらかじめ混ぜて1つの曲にして発表することも。J-POPやアニソンなどポップス系のDJムーヴメント。

リワーク(rework)

  • 概要:原曲を大幅に再編成したもの。
  • 目的:原曲を編曲することが目的。
  • 特徴:リミックスと同義であったり、セルフリミック的な意味合いで使われることが多いように思う。

エディット(edit)

  • 概要:リミックスやリワークとほぼ同義。
  • 目的:原曲を編曲することが目的。
  • 特徴:シングル盤用とアルバム盤用に少し長さが違うバージョンというものから、「◯◯edit」のように◯◯にリミキサーの名前がつくものはリミックスの意。

おまけ1:カラオケ/インストゥルメント(karaoke/instrument)

その名の通り、カラオケ版。原曲からボーカルを抜いただけのもの。シングルCDの発売時によく一緒に入っている。インストゥルメントを略して「インスト」と呼ばれる場合もある。

おまけ2:オルゴール

原曲がオルゴール調にカバーされたもの。J-POPに多い。音楽配信サイトなどで検索したときに原曲と思って買ったらオルゴール版だった、みたいなことでガッカリすることも。カフェなどのBGMに使われる需要?

おわりに

特にリミックスやエディットはDJやDTM文化の流れから発展したものが多く、音源投稿サイトなどにあがっているものは著作権的にグレーな場合も。さらに、サブスクなどで検索でヒットするものも、審査をすり抜け、公式未許諾の音源もよくあります(公式に怒られて配信停止になることも)。
とはいえ、二次創作的な文脈から発展してきたジャンルもたくさんあるので、どのレーベルから誰が出したか、どこで買える/聞けるか、などをしっかり意識しながらディグりましょう。

追記(2024.1.2 )

以外とアクセスされてるようなので、読みやすいように全体的にテキスト修正。

追記(2024.11.5 )

テキスト修正。