リマスター、カバー、アレンジ、リミックスetc… の違い

いろんな派生がありますよね

音楽を嗜んでいると、同じ曲名なのに「リマスター」「カバー」「アレンジ」「リミックス」など、なにやらバージョン違いの別曲がいくつかあるのに出くわします。どう違うのかわからないので、一般的な解釈をメモしておきます。
※作曲者やレーベルのこだわり、コミュニティ内の呼び分けなどで解釈が異なる場合もあるのであしからず。

リマスター

旧譜や古い音源を再発売する際に、現代のオーディオ環境や技術にあわせてマスター録音をマスタリングしなおし(=リマスタリング)すること。昔の録音からのノイズ除去や音質向上が目的で、限りなく原曲ほぼそのまま。

リミックス

新しい楽曲を作ることを目的に、マスター録音を混ぜ直し(=リミキシング)すること。テンポを変えたり、新しく音を足したり引いたりする。クラブ・ミュージック調のダンス・ミックスなどがよく作られる。

カバー

原曲をなぞることを目的とする。曲調は原曲に即したものが多いが、弾き語りなどアコースティック調のものなどにアレンジされることが多い気がする。原曲と別のアーティストが行うことがほとんどで、同じアーティストの場合は「セルフカバー」と呼ぶことも。

アレンジ

作曲的なアプローチで編曲行為が入る。「リアレンジ」と読んでリミックスに近い意味でとらえらることもある。

ブートレグ(bootleg)

海賊版の意。著作権者に無断で楽曲を使用した音源。1970年代に、コンサートのライブ録音やミキシング音源が流出したものを不正に音源化したのが始まりで、現代では許可なく作られたリミックスにブートレグとつくことも。

マッシュアップ(mashup)

異なる2つ以上の曲を、片方からボーカル、もう片方から伴奏をイコライジングなどで抜き出して合体させる。J-POPやアニソンのDJイベントでよく使われる。

リワーク(rework)

原曲を大幅に再編成したもの。リミックスと同義であったり、セルフリミック的な意味合いで使われることが多いように思う。

エディット(edit)

シングル盤用とアルバム盤用に少し長さが違うだけのものから、「◯◯edit」のようにリミキサーの名前がつくものはリミックスの意。

カラオケ/インストゥルメント(karaoke/instrument)

その名の通り、カラオケ盤。原曲からボーカルを抜いただけ。

オルゴール

原曲がオルゴール調にカバーされたもの。J-POPに多い。音楽配信サイトなどで検索したときに原曲と思って聞いたらオルゴール版だった、みたいなことでガッカリすることが多い。カフェなどのBGMに使われる需要?

おわりに

DJやDTM文化の流れから発展したものが多く、著作権的な問題がグレーな場合も多いです。さらに、サブスクなどで検索でヒットするものも、審査をすり抜け、公式未許諾の音源もよくあります。
とはいえ、二次創作的な文脈から発展してきたジャンルもたくさんあるので、どのレーベルから誰が出したか、どこで買える/聞けるか、などをしっかり意識しながらディグりましょう。