大相撲の基礎知識と楽しみ方

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大相撲にハマり始めた。

これまで相撲にはほとんど興味なく、なんか夕方におじいちゃんおばあちゃんが見てるな〜海外出身のお相撲さんが強いな〜程度にしか思ってなかったのですが、地元出身力士が十両昇進したというニュースで盛り上がり、実際に両国国技館へ大相撲観戦しにいくまでになりました。

そもそも十両てどんだけすごい?幕内と幕下の違いは?……等々、ほぼゼロ知識から相撲の歴史や文化にふれて知ったこと、面白かったことなどまとめます。

そもそも相撲とは

土俵でまわしをつけた力士が1対1で行う格闘技。相手に土俵の外に出されるか、足の裏以外が地面に着いたら負け。勝ちが決まったときの技を「決まり手」と呼びます。 

決まり手一覧→決まり手八十二手 – 日本相撲協会公式サイト

古事記や日本書紀に相撲の原型となるものが登場するといいます。伝説や神事を経て、江戸時代に「力士」という職業が登場するように。

力士

広義には相撲の選手のことを総じて力士と呼びますが、厳密には「日本相撲協会に所属する相撲取り」のことを力士というそう。

力士になるためには、高校や大学相撲などで実績を残し、相撲部屋の親方に認められて入門することになります。 その際に行われる日本相撲協会主催の新弟子検査には、中学卒業以上で23歳未満の男子・身長167センチメートル以上・体重67キログラム以上の入門規定があります。

https://www.toshin.com/mirai/joblab/job/522

女性は希望してもプロ力士になれません。

四股名(しこな)

力士の名前(芸名)。入門時には本名の苗字を使い、入幕や十両昇進と機会に改名することが多いようです。本名や出身地にまつわる名前がよく使われます。

土俵

競技の舞台となる土俵は、場所ごとに作り上げられます。トラックで土を運んできて呼出といわれるスタッフが手作業で作る。東西がある。女人禁制。

相撲部屋

大相撲の協会員が所属する集団。力士は必ずどこかの部屋に所属します。またその集団で稽古や生活の拠点とする施設のことでもあります。 地方巡業の際は各地の宿舎(寺や神社が多い)で寝泊まりします。2022年現在は45の部屋があり、東京都墨田区周辺に集中しています。年寄・力士がそれぞれ1人以上所属している必要があり、年寄の急逝、不祥事などで部屋がなくなるケースも。

相撲部屋一覧→ 相撲部屋のご紹介 – 日本相撲協会公式サイト

年寄(親方)

相撲協会の役員。年寄になるには条件があり、日本国籍をもつ、小結以上の番付になっている、などがあります。また、年寄株という親方になる権利を手に入れる必要があります。65歳で定年。

裏方

以下の裏方(スタッフ)は力士と同様に相撲部屋に所属します。

  • 行事(ぎょうじ):審判と進行を行う。勝ったほうに軍配をあげる。烏帽子直垂(えぼしひたたれ)装束に軍配団扇(うちわ)を所持する。
  • 呼出(よびだし):取組たびに力士名を読み上げる。上述のように土俵整備や力士にタオルを渡すなどあらゆる仕事がある。
  • 床山(とこやま):大相撲力士の結髪を行う。髪型の種類があり、関取以上は大銀杏(おおいちょう)、幕下以下の力士や関取以上でも普段の生活時にはちょん髷を結う。幕下以下でも、断髪式などのときは大銀杏を結うことがある。

力士の所作、儀式

神事に由来するため、様々な所作や儀式があります。

  • 四股(しこ):土俵の上で片足を高く掲げ、強く地を踏む所作のことをいう。 相撲稽古で重要な方法の1つだが、地を踏み鎮めるという宗教的意味ももつ。
  • 塩まき:土俵に入る際に塩をまく。神事に由来をもつ「清めの塩」としての風習。
  • 弓取り(ゆみとり):本場所で結びの一番の勝者に代わり作法を心得た力士が土俵上で弓を受け、勝者の舞を演ずること。弓を落としてしまった場合は、足を使ってはね上あげて拾う(土俵に手をつくことは許されないため)。
  • 手刀(てがたな):勝ち力士が土俵の上で行司から懸賞金を受け取るときの作法。東の場合は真ん中・右・左、西の場合は真ん中・左・右の順で手刀を切る。造化の三神である真ん中の天御中主神、正面の高御座巣日神、裏正面の神産巣日神に感謝する意味。

本場所

公式戦として奇数月(1月、3月、5月、7月、9月、11月)に行われる興行を本場所と呼び、この成績で昇進・降格が決定します。

1場所15日間あり、8勝(過半数)を超えたら「勝ち越し」、逆に7勝以下になることが確定した場合は「負け越し」となります。

幕下以下は、1場所7番の取組なので、4勝以上が勝ち越し、3勝以下が負け越しになります。

取組

本場所の初日と2日目の取組は初日の2日前に、3日目から千秋楽まではその前日の午前中に発表されます。

観戦ルール:基本的なことは日本相撲協会のサイトに掲載されてますが、コロナ禍では声を出した応援や喋りながらの食事がNG。よく昔の相撲映像で見られた座布団投げも現在は危険なため禁止されています。

テレビなどでは午後3時ごろから大相撲生中継がはじまりますが、本場所の取り組みは朝9時ごろから始まっています。

番付

大相撲における力士の順位。本場所の成績によって地位が序列づけられ、毎場所後に行われる番付編成会議で地位が上下します。

他のスポーツでは年齢や体重による階級分けが一般的ですが、相撲の場合は本場所の成績で順位が決まり、毎場所後に行われる番付編成会議で地位が上下します。

番付は上から横綱、大関、関脇、小結、前頭、十両(テレビに映るのはここまで)、幕下、三段目、序二段、序ノ口と十段階。横綱〜前頭を幕内、以下を幕下、幕内と十両の力士を関取と呼びます。

関取以上のみが大銀杏を結える、給料をもらえる、名前に「○○(四股名)関」とつけて呼ばれる、など待遇がガラッとかわるため、冒頭に書いた地元力士の十両昇進はすごい転換点だったのですね。

ちなみに、「○○関」の関は関取の意なので、と幕下以下の力士に使うのはふさわしくないそうです(幕下以下の力士は「〇〇さん」などと呼ばれることが多い)。

おわりに

シンプルにみえて、歴史があるぶん深みと重みがある大相撲。一時期は不祥事などで悪い印象がつきまとっていましたが、最近は業界全体で改善しようとしているようですし、まだまだ知らないこともたくさんあるのでちょっとずつ学びながら楽しんでいきたいです。

P.S. 同郷の力士、平戸海関の応援よろしくおねがいします。

https://www.sumo.or.jp/ResultRikishiData/profile/3705/

参考